[施工ニュース vol.13]地下式プレキャスト調整池・遊水池

※本記事は過去に発刊している「施工ニュース」をWeb用に掲載しているものです。

巨大地震・津波に耐えた地下式プレキャスト調整池・遊水池
~東日本大震災で被災した地下式遊水池の内部を調査しました~

物件① 仙台市 遊水池

竣工1995年7月
製品スタンド型ブロック H4000 12,629㎥
内部調査2012年5月 ※竣工後17年経過
備考海岸から8kmの距離にあり、津波被害なし
耐震設計は常時の検討のみ
施工中の様子

現場打ち部とプレキャスト部の接続部に若干のひび割れと遊離石灰が認められました。
当遊水池は震災後清掃されてなく、0.2~0.3mの堆積物がありました。
特に構造上問題となりうる破損状況はなく、地震に問題なく耐えられていました。
遊水池周囲は、マンホールの突出等は無く、大きな地盤の沈下も認められませんでした。

スタンド型ブロックと頂版スラブ接合部
「報告書」御要望の方は弊社まで
堆積物が0.2~0.3mくらい
突合せ部ひび割れ
スタンド型ブロックと頂板スラブ、妻壁接合部

物件➁ 岩沼市 遊水池

竣工2003年3月
製品スタンド型ブロック H6500 18,600㎥
内部調査2012年5月 ※竣工後9年経過
備考海岸から2.5kmの距離にあり、津波被災:車道面10~30cm程度
耐震設計は常時検討のみ
施工中の様子 スタンド型H6500

車道は液状化と沈下が若干認められる

遊水池への流入管 (φ700) に胴折れが認められました。
当遊水池は震災後一度清掃され、大きな堆積物はありませんでしたが、スクリーン前に多少の浮遊物がありました。
そのほか特に構造上問題となりうる破損状況は認められず、地震の影響は見受けられませんでした。
遊水池周囲は、地盤の沈下及び盛土部に亀裂が認められました。

折れた流入管φ700
ブロック継ぎ目に問題なし。地震と津波に耐えた遊水池
スクリーンの前には浮遊物